デザイナー的 Apple Watch考察
みなさま、ご無沙汰しています。一ヶ月以上もブログが空いてしまいました。。。
えーっと、決算(って何もやっていないけど)とか諸々でとてつもなくバタついおり。まあ、言い訳ですけど。
ひとまず、みなさまのおかげで会社作って一年、潰れずにおり、また赤字でもなく、二期目を迎えようとしております。本当にありがとうございます。
2期目はもうちょっと、まっとうに社長らしく経営しようと思っている所存です。
ブログもやり始めたからには、今後はもちっと更新を頻繁にします( ー`дー´)キリッ
さて、タイトルのApple Watch購入しました。
だいたい、Appleの初期モデルは買わない、ということにしてるんですが、今度ばかしは周りも思った以上に購入してるし、これは仕事的に使ってみにゃマズイな....ってことで。一番安い(っつても5万の)スポーツモデルです。
時を同じくしてMacも買い換えたのですが、円安が憎いよ!高いよ!お金ないよ!
と心で叫びつつ、レビューを書きたいと思います。
今回のレビューは、以下のポイントで書いていきます。
- UI的な考察
- UX的な考察
- 今後の展開予想
- 結局今は買いなの?買いじゃないの?
1)UI的な考察
画面デザイン的なUIに関しては、このサイズ内でできうること(かつiOS準拠のデザイン)なので、こういう形になるだろうな、というのは予想がある程度つく事だしAppleお手の物のインタラクション感って感じなので特にいう事もありませんが、個人的に気になっているのは "感圧パッド" という存在です。
今期のMacBookにも搭載していますが、簡単にいうと、今までのタッチ端末には"タップ(押す)"という概念しか基本的にはなかったんですが、感圧パッドが搭載されたことによって"半押し"という概念が生まれました。
例えば、今回時計のデザインを変えるには半押しの作動が必要になります。ちょっと力を入れて押し込む感じにすると.....
ほら、こんなふうにね!(Apple宣伝風)
これはAppleが "今後物理的なボタンってどんどんなくしちゃうぞー!!" ということのための布石だと思っています。
モバイルのUIデザイナーは、この点しっかり考慮しなきゃですね。
2)UX的な考察
UXの観点からすると、大きなポイントは2つ。
・身体管理が正確にできる
・より "ながら" の使い方ができる
そもそも、Apple Watchは車社会であるアメリカでの生活において、運転しながらも問題なく使えるデバイスを目指したいという観点から開発がスタートしています。
確かに、車や自転車の運転中がこのデバイスは一番本領を発揮できている気がします。
まず、身体管理の部分から。
Apple watchの裏面にはLEDセンサーが搭載され、心拍数を測定することができます。
また、加速度センサーも搭載されており、その2つを搭載した状態で身につけているわけなので、身体の状態を正確に測ることができます。
過去にも様々な身体管理のデバイスは出ていますが、やはりそこはApple。
「アクティビティ」というアプリが標準搭載されていて、ずっと座りっぱなしだと "スタンド" というお知らせが出て、立ってください、とか言われます。また、自分の生活に合わせた1日のアクティビティ目標を勝手に立ててくれて、それを達成されるように促されます。
このゲーミフィケーション的なUXは結構優れてるな、と感じます。
次に"ながら"の感覚なのですが、スマホはやはりスマホに集中しなければ何かを行うことができません。
Apple WatchはiPhoneと常にBluetooth同期していて、iPhoneの通知センターに来たお知らせが届くようになっています。(messangerとかLINEとか。個別設定できます)
今まで、
"あ、鳴った → 取り出す → 確認する"
というスマホにかける行為が必要なくなる、というのは思った以上に大きいです。運転して待ち合わせ場所に向かうときなんかは、もってこい。気が散らなくてすみます。
個人的にとっても気に入っているのは、音楽のコントローラーとしての使い方です。結構 iPhoneにたくさん曲を入れているので、"あの曲聴きたいな"
というときに、スマホそのものを取り出す行為って割と面倒だったりします。特に街中とか歩きながらの時は、人にぶつかったりもしますしね。
あと、飛行機に乗る時にPassbookと同期しているので、チケットが表示できるのもすごく便利でした。旅行の時は何かと荷物が多いもの。その中でスマホ取り出して、しまって、保安検査でまたバラして.... って結構大変だと思ってました。
今後は飛行機だけでなく、より交通機関と連携ができるようになればいいのになーと願ってやみませんが、難しいだろうな。。。。
(ちなみに、日本でsuicaやおサイフケータイに導入されている方式はFelica方式という非接触方式なのですが、これは世界の市場が見ると非常にガラパゴスなもので、日本と香港の一部ぐらいでしか使われてないんです。この障壁がかなり高い。以下の記事が参考にになると思いますので興味ある人はどうぞ)
こういう風に、通信・ITがより生活動線に同化することで、意識せずに "ながら" の使い方になっていくのだろうな、と感じました。
3)今後の展開予想
先日のWWDCでApple watch単体でのアプリの開発が可能になることが発表されました。今はApple WatchはiPhoneがないと時計すら見ることができませんが、この秋リリースされるwatch OS2からは単体でのアプリケーション稼働が可能になります。また、Apple Watchそのものをwifi接続することも可能になります。
これによって、Watch内だけで完了できるアプリの開発がどんどん進んでいくことになると思います。まずは、上記にもあった身体測定に即するものが加速的に増えるでしょう。それに伴う専用のガジェットなども用意されていくように思います。例えば、体重計や体温計などと、iPhone、Watchを組み合わせて複合的に健康管理ができるようになるかもしれません。
もともと健康上のトラブルなんかを抱えている方は、測定したデータをそのまま医師に転送することもできたりしますね。ウェアブルならではの正確なデータ測定は、そのあたりの可能性を大きく広げることになるだろうと思います。
4)結局今は買いなの?買いじゃないの?
結論から言うと、今この瞬間は一般ユーザーには買いではないと思います。
できることも少ないですし、少々Too muchな感じで贅沢すぎるガジェットに感じます。
ちょっと欲しいなーと思ってる人は、2015年の秋まで待つのがベストだと思います。
秋に新しいOSが出るのと同時に、新しいモデルも発表になるかもしれません。iPhoneもおそらく新モデルが出ますので、より親和性もあがると思います。
とは言っても、欲しい人もいますよね。
私は何より、そこがAppleのスゴイとこだな、と思っています。
このモノが溢れる世の中で、数万円で老若男女誰からも"あ!それ初めてみた!"なんて言われるアイテムなんて、想像する限り他にないように思います。
待ってでも並んででも欲しい人がいるアイテムを作るっていうのが、一番デザイナーとして学ばなきゃいけない部分だと思ってます。
最後に、これでApple貧乏になってしまったので、
Watchアプリのデザインのご依頼お待ちしております。
Appleにお金をつぎ込み、そのお金を得るためにAppleを使ってお金を稼ぐ、っていうApple奴隷を生み出すとこまで含めて、ジョブズの(今はその魂をついだクックの)デザインの一環なのかもしれませんね。とほほ。